お盆だからって幽かな兄さんが帰ってきました



■そうして一年:あの世

 フガクは小首を傾げながら居間でお茶を淹れていたミコトに訊ねた。
「おい、イタチはいったいどうしたというのだ。朝から庭でこんな(´・ω・`)顔をして酒刈太刀を振り回したり天照を乱発したりしているぞ」
「ええ、それがね、実は…」


■そうして一年:この世

 腹に幽霊の気配。
 眠りから覚めたおれは内心くくくと嗤った。
 来た。あいつが、イタチが、一年を経てまたおれのところへ飛んで火に入る夏の虫の如く来やがった。
 ベッドの下には起爆符ならぬ対物の怪用の護符を隠してある。護摩もある。十字架もある。邪心教にも仮入信した。
 アンタの言った通り米食に切り替え、自炊し、規則正しく、そしてアンタに復讐する為だけにおれは生きてきた!
 ばちっと目を開く。
 するとそこには一年ぶりのイタチ、
「よお、ボウズ」
 ではない、マダラがいた。
「くぁwせdrftgyふじこlp!?!?」
「驚いたか?今年はおれだ」
 と尊大におれの腹の上でふんぞり返る全盛期マダラ。
 正直わけがわからない。
 おれは飛び起きた。辺りを見回す。
「に…にいさ…いや、イタチは何処だ!?」
 するとマダラはこきりと首を鳴らした。
「イタチ?ああ、奴なら暫くは助けに来られんぞ。奴の家の周りに樹海を降誕させておいたからな」
 迷惑すぎるだろう、それ!
 固まり引きつるおれにうちはマダラは口角をにっと上げて笑った。
「さあ、柱間輪廻転生計画を始めようか!」
 そうして、おれは犠牲になったのだ。古くから続くマダラ→柱間の因縁、その犠牲にな…。
 うん…。
 兄さん、まじ早く来て。