相対性理論
待ち合わせは午後6時、本屋の前のベンチ。
午後5時59分過ぎ、人混みの中、サガがこちらへやって来るのが見えた。けれど歩調失速。
サガの前を歩いていた女が、バッグから何かを取りだした拍子に、何かを落としたのだ。
お優しいサガは、仕草も優雅に拾ってやったらしい。サガに呼び止められ振り返る女。
女の落とし物をあの極上のインチキ笑顔で渡すサガ。そして何やら話して、サヨナラ。
サガの足が再びこちらへやって来る。その爪先を狙って、さっき買った飴玉を転がした。
サガはやはり優雅な仕草でそれを拾い上げ、俺の前に立った。
「落とされましたよ」
まだ包みにくるまった飴玉を差し出される。
「わざわざありがとうございます」
サガを見上げて、極上笑顔、ちょっと恥ずかしそう風味。
「いえいえ、どういたしまして」
サガもやっぱり極上インチキ笑顔。
「あの、お礼を…」
はにかみは忘れずに!
するとサガはそのままホンモノ極上微笑。
「では、これから食事に付き合って頂けませんか」
きっかり10秒沈黙。そして俺は素に戻り、云った。
「最後の台詞が、さっきの女との奴と違うな」
「なんだ、この場でもう別れたいのか、カノン?」
「つーか、サガ、お前2分遅刻」
ベンチから立ち上がる。サガは腕時計に一瞬視線を落とした。
「いま丁度6時になったところだが」
「俺の時計では今6時2分なのだ」
「お前、時計など持っておらぬだろう」
「俺の体内時計では6時2分だ」
そう云うと、サガは笑った。
「ああ、お前にとってはあの30秒が2分にも思えたのだな」
そうして、なんだかやさしくされてしまう。
「今夜はお前の好きなものを食べに行こう」
もちろんサガの奢りでなと云いつつも、もう今日はお前に甘える気満々だ。
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卑怯者
サガが日当たりの良い窓辺の床に寝転がり、眠っていた。
「サガ、起きろ」
足の裏でその腹を踏みつける。
サガは良い気分で昼寝をしていたのだろう、恨みがましそうにうっすらと眼を開け、俺を見上げた。
俺はいつもサガが云うように云ってやった。
「サガ、こんな処で寝ていたら風邪をひくぞ?」
その皮肉に俺は笑い、サガはむすっとする。
すると突然、サガの腹の上に乗せていた足首が掴まれ、引っ張られた。
不意のことにバランスを崩して、尻餅を付く。馬鹿力め。
「ってえ。尾てい骨を打ったではないか」
俺が尻をさすっていると、サガはその長い髪の海に体を横たえたまま鼻で笑った。
「それはすまなかったな。何なら舐めてやっても良いぞ?」
「要らんわ!」
「カノン」
「うん?」
「私の風邪の心配をしてくれるならば、毛布か何かを持ってきてくれないか?」
「やだね。何故俺がそこまでしてやらねばならん」
それより尾てい骨がまだじんじん痛い。
サガは、しかし、尻餅を付いたままの体勢の俺を見上げて云った。
「私が、カノンに、して欲しい、からだ」
眼をすいと細めて微笑まれる。
「卑怯者」
俺は仕方なく立ち上がった。毛布を取りに行く俺の背後で、
「礼は今夜、たっぷりとな」
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爪
「サガ、俺は前々からお前に云いたいことがあったのだ」
朝食を食べ終わった後、私が新聞を読んでいるとカノンが突然切り出した。
なにやら酷く真剣な顔をしている
「…なんだ?」
ばさりと新聞を置いてカノンを見ると、カノンは顔を真っ赤にして眸を伏せた。
「その」
「うん?」
「だから」
「だから?」
「それ…」
「どれだ?」
「それっ、その…その爪!」
「爪…?」
云われて、視線を手に落とす。
「この爪に何か問題でもあるのか?」
そう問うと、カノンはついに怒りだした。
「ある!大ありだ!お前はきれいに尖らせて整えているつもりかもしれんがな!」
「整えているつもりかもしれないが?」
「が!だから!ほら…!その…っ」
「なんだ、カノン、云いたいことははっきりと云え」
「その指で…っ、指で、だな…俺の…あそ…こ…ぉ…」
カノンのトーンは徐々に落ち、ついには消えてしまった。
怒っているのか、恥ずかしがっているのか、カノンの顔は変わらず真っ赤であった。もう一度爪を見る。
「ふぅむ…ちょっと待っていろ、カノン」
私は立ち上がって、カノンの望みを叶えてやることにした
***
「あ…あぁ…っ、サガ…そこっ」
カノンが後ろ手にテーブルに手を付き、身体を揺する。
ガクガクと震えている膝は、もう身体を崩して、脚を開きたいと云っているかのようだった。
「もっと…ふっぅ…指増やして…くれ…っ」
ぐちゅりとカノンの秘孔で水音。
カノンの中に入れていた指を一度引き抜けば、カノンは入口を擦られる快感に悶えた。
「あ…っ」
抜いた指をカノンの浮つく視線に映る位地に掲げてやると、カノンは眉を切なげに寄せる。
「サガ…」
「よくご覧、カノン。お前のために切ってやったぞ?」
カノンは、私の伸びた爪が中を引っ掻いて痛いと、そう云いたかったのだ。
さあ、カノン。お前のためにわざわざ切ってやったのだから、欲しがってもらわねばなあ。
「サガ…」
「なんだ?」
「それ…」
「どれだ?」
意地悪く云えば、カノンは私の手首を取ってきた。そのまま秘孔へと導かれる。
「…くれっ」
嗚呼、お前はなんと良い眼で請うのだろう。
「ああ、良いとも」
お前の望み通り、次は二本の指を喰わせてやろう。
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自惚れ
ある日突然サガが帰って来なくなった。
書き置きも何もなく、ここ数日の会話を反芻してみても旅行の一言もなかった。
俺ではあるまいし、サガに限って放蕩などありえないだろうと考えて、三日。
それとなく他の奴等に訊いてみたが知らないと云う、四日。
よりにもよってサガを心配している自分があほらしくなって、五日。
朝起きて、昼に適当に仕事をして、夜に帰って、六日。
朝起きれなくて、昼を寝過ごし、夜に目が冴えて、七日。
昨日の新聞を読みながら、最後の缶ビールに口を付ける。
明日には買い物に行かなければと考えていると、玄関が開いた。
「ただいま、カノン」
サガは何喰わぬ顔をして居間にひょっこり顔を出した。そして俺の顔を認めて、苦笑する。
「なに不機嫌な顔をしているのだ?」
何も云わず一週間も家を空けてすまなかったなと云われた。が、違う。
「俺が腹を立てているのは、自分にだ」
玄関の扉が開いた瞬間の俺の心臓の音をお前に聴かせてやりたいよ。
あの瞬間の、俺の顔を見せてやりたかった。
「お前、もっと俺が好きになったぞ、きっと」
ソファの前に回ってきたサガに新聞を取り上げられる。
見下ろされて、見上げていると、サガはふと眼を細めた。
「今、お前が更に好きになったぞ、カノン」
細められたサガの眼に映る俺は、嬉しそうで、それを隠すために不機嫌を取り繕って、
それでも何処からか喜びが漏れて溢れている顔のだろう。
サガの掌が伸びてきて、頬を撫でられる。
これ以上サガの眼に映る自分自身を見ていたくなくて眼を閉じる。
「カノン、お前は私がいなければ幸せになれぬのだな」
「それは、自惚れすぎというものだ」
「私は過信などせぬよ。事実しか云わぬ」
「お前が俺を幸せに出来るなど、自惚れだ」
云うと、しかしサガは笑った。カノンと名を呼ばれる。
「私は、カノン、お前を幸せにしてやろうなどとこれっぽっちも思っておらぬ」
なんだそりゃ。
「けれど、お前は私がいなければ幸せになれぬ、そうだろう?」
うん、まあ。
「故にカノン、私はここにいよう」
サガは云った。俺を幸せにしてやるなどと自惚れは云わないと。
そしてサガはこうも云った、「お前が幸せになるのだ、カノン」
ここにいるから、幸せにしてあげれないけれど、ここにいるから、幸せになれと云われた。
「お前は、俺を甘やかすことを知らないな、本当に」
頬を撫でるサガの手に手を重ねる。眼を開ける。サガは微笑んでいた。
「一度も俺を幸せにしてくれたことがない」
ああ、だから仕方ないね。自分で幸せになるしかないじゃないか。
幸い、お前はここにいると云う。
まあその言葉だけで、俺はかなり幸せになってしまっただなんて秘密だけれど。
サガはふと俺の手の中にあった缶ビールに目を留めて云った。
「とりあえず、明日は買い出しせねば、明日の幸せはなさそうだな」
ああ、餓死は嫌だな。折角幸せになれそうなのに、飢えて死ぬなんてまっぴら御免だ。
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愛情手抜き
新聞を読んでいると、カノンが腹が減ったとキッチンへ入ってきた。
私はお前の餌係ではないと云うと、カノンは餌とはなんだと怒った。
「それではまるで俺がお前に飼われているようではないか」
「ふん。大した違いはなかろう」
「むかつく。で、サガ、腹が減った。何か無いのか?」
カノンは飼われていることを自覚したのか、また問うてくる。
私はテーブルの上に出してあったカップメンを視線で指した。
「手抜き」
「嫌ならば食うな」
そう云うと、カノンは大人しく湯を沸かして注ぎ、きちんと3分待ってカップメンを食べ出した。
「なあ、サガ」
「…なんだ」
向かいに座っているカノンに視線だけをやる。
「手抜きは良いが、最近俺への愛情が薄いのではないか?」
「そうだろうか」
むしろ食事で愛情を量るお前の私への愛情を疑うが。
私はお前を飼い慣らして、従わせたいのではない。
まあしかし、不足しているというなら補給してやろう。
「カノン」
「…なんだ?」
カノンはカップメンを食べながら顔を上げる。私は新聞を置かずに云った、「私はお前を好きだよ」
カノンが口の端から面を垂らしているのを笑いながら、私は新聞に視線を戻した。
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放置プレイ・アゲイン
あまりにも空腹であったので、サガがざくざくと野菜を切ることに集中しているうちに、
テーブルの上に乗っていた皿から食料を失敬した。
サガがそのことに気付いた瞬間には、もう呑み下して食道通過中。
「…カノン」
振り返ってサガが睨み付けてくる。だが俺はやめとけばいいのに、反抗してみた。
「お前の料理は手間暇を掛けすぎて、待ちくたびれるのだ」
いや、うん、お前が俺に美味しい物を食べさせてくれようとしているのは解ってるし、
そりゃつまみ食いは意地汚いかもしれない。
だからと云ってだな、いきなり俺のトラウマアッパーで殴りつけることないのではないか?
これだから体育会系のノリは嫌なのだ。
顔面から床に落ちて、さすが、ごーるどせいんと、のサガだと思った。
アッパーなのに、顔面から落ちるって!
「貴様!つまみ食い程度でやりすぎだぞ!」
鼻を押さえて上半身をかばりと起こす。しかしサガは馬鹿者と一喝。
「お前が食ったのは、今夜の夕食のメインだったのだぞ!?」
テーブルに盛りつけたときに夕食が貧相になってしまうではないかと怒鳴る。
あほか、結局胃袋行きなのだから良いではないか。だがそれが通じないのがサガなのだ。
これ以上の議論は無駄だと悟り、サガに手を差し出した。サガが首を傾げる。
「…自分で起き上がれるだろう?」
まあ、俺も一応は、ごーるどせいんと、だからな。だが、違う。
「…ティッシュ」
「なに?」
「だから、ティッシュ取ってくれと云っているのだ」
鼻血が出たんだよ。
するとサガが寄ってきて、鼻を押さえていた手を無理矢理剥がした。やめろ、鼻血が垂れるではないか。
「…カノン」
「早くティッシュをよこせ」
「ごーるどせいんと、は、顔面から落ちたとて、鼻血を出してはいかんのだ」
なんだそりゃ!いったい何処の何の規定だよ、それ。
「いいから、ティッシュ。取ってくれぬなら、そこをどけ」
するとサガは、しばらく俺を冷たく見ていたが、やがて破顔した。
「ああ、しかし、お前は鼻血を出しても可愛いな」
オィ。
「可愛いので、しばらくそのまま垂らしていろ」
サガはニッコリ微笑み、俺の頬を撫で、再び野菜をザクザク切り出した。
え、なにこれ。サガの得意な俺放置プレイアゲイン?
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香り
今夜はサガが珍しく「したい」と云い出したので、俺は「ああ、そうですか」とシャワーを浴びることにした。
我ながら従順である。サガにではなくて、気持ち良いことに。
そして真新しい白いシーツへとサガに押し倒されながら、サガが舐めやすいようにと首を晒していたなら、
「…カノン」
サガが俺の首筋に埋めていた顔を上げた。
それだけでは留まらず、身体まで離される。ひやりとして身体が震えた。
「何故私が新しく買ってきたシャンプーを使わなかった?」
サガは気分を害したとでも云うように、不快感を眉根に寄せる。
そういえば風呂場には新しいシャンプーが置いてあった気がする。が、しかし、
「何故とは、まだ古いシャンプーが残っていたからに決まっているだろう?勿体ないではないか」
俺も体を起こして、サガが顔を埋めていた首筋を掻く。中途半端に擽られて、なんだか痒い。
「お前が風呂に入る前に、新しいやつを使えと云っただろう」
「おかしな奴だな。何を拘っているのだ。どちらでも良いだろう」
それより早く続きをしろと促す。
だいたいお前が先にしたいと云ってきたから、
明日は早出の仕事だというのにこうして時間を裂いてやっているのだ。
「…お前はそういう情けで私としているのか」
「何故そんな揚げ足を取る。いいから、早くしろよ」
サガを更に促そうと手を伸ばすが、鬱陶しそうに振り払われた。
「カノン。もう一度髪を洗ってこい」
「…は?」
「新しいシャンプーでもう一度髪を洗って来いと云ったのだ」
サガはそう云って、ガウンまで羽織ってしまった。そのガウンを着る手を掴む。
「おい、ちょっと待て」
「聞こえなかったか?お前が髪を洗い直してくるまで、しない」
「そんなことどうでも良いだろう?俺は…もう待てぬ」
だが、やはり手を振り払われた。サガは寝台からさえも降りて、椅子に腰掛け、脚を組む。
「おい、サガ」
ツーン。
「サガ」
ツーン。
「…しないのか?」
ツーン。
「しなくとも良いのか?」
ツーン。
「お前がしたいと云ったくせに、俺の気が変わっても良いのか?」
ツーン、ツーン、ツーン。
「サガ!」
「お前が髪を洗わなければ、今夜はなしだ。私はかまわぬ」
サガは本気でもうどうでも良いようだった。なんて心変わりの激しい奴なんだ、お前は。
結局いつものように究極の場合では俺が折れる。
「…解った。洗い直してくる」
そう呟き、寝台を降りると、サガが突然俺の手首を捕らえて微笑んだ。
「では私が洗ってやろう」
「は?お前が…?」
まさかこいつ風呂場でしたいが為に、駄々をこねているのではあるまいな?
「要らぬ。お前と風呂に入ると、違うところを洗われるからな」
さっきのお返しとばかりに手を振り払おうとしたが、無理だった。
「髪しか洗わぬ」
それはそれで何だか興醒めだと思いつつも、サガに髪を洗ってもらった。
頭皮と髪をサガの指にやわらかく揉まれ、梳かれる。最後に丁寧に拭いてもらった。
そしてこんな深夜に何やってんだかと思っている内に、再び寝台へ押し倒された。
首筋を晒してサガを待つ。ようやく舐めあげてもらえて、思わずサガの髪に両手を差し込んで堪能。
俺が感じ入っているのがおかしいのか、サガが吐息で笑った。
「気持ち良いか、カノン」
「待たされた分だけ上乗せで。で、いったい何だったのだ」
サガの手を探り当て、自らの鼻へと導く。ついでに舐めながら、その香りを嗅いでみた。
「…シャンプー…ではなく…お前の匂いがする気がする…」
俺には解るのだ、サガの匂いが。サガは今度は盛大笑った。
「そうだろう?今までのシャンプーは花の香りが強すぎて、お前の匂いが味わえなかったのだ」
あ、なるほどね。それで無香料のシャンプーを買ってきたわけだ。
「…お前は、時々本当にくだらないことをするな」
俺も笑った。なんだか可笑しくてたまらない。
それから舐めていたサガの手に、手を重ねて、指を絡め合い握った。
「サガ。今度こそ本当にもうダメだ」
お前の匂いで感覚全てが気持ち良くなってる。
が、サガは俺ではなく、枕元の時計を見ていた。
「サガ?」
呼び戻すと、サガはすまなさそうに云った。
「カノン。そうこうしている内に、もうすぐ夜明けになってしまった」
「そんなことはどうでも良い。サガ。1回だけでも」
「しかしカノン。私もお前も明日は早くから仕事だろう」
サガが体を離そうとするから、空いている片方の手でサガの体を引き寄せた。
「いいから、しろよ」
「カノン、明日に響く」
「知ったことか」
無理矢理首をもたげて、サガのくちびるにくちびるを押し付ける。
サガは困ったように、少しだけ啄んで俺を枕に帰した。
「カノン」
「こんな中途半端で終われるか、あほ。さっさと一発すれば済むのだ!」
「しかし、お前が辛いだろう?」
「かまわん。このまま放っておかれるほうが辛いわ」
「カノン…」
「サガ!」
この後、えんえんと云い争いながら、接吻けだけをしてみたり、
少しだけ身体に触り触られてみたりして、気付けば朝だった、あり得ん!
仕方なく、一発もやらずに熱が燻って、おまけに寝不足の身体をふたりで引きずり仕事に向かった。
途中会う奴会う奴に「徹夜でヤっても、まだ足りなさそうだな!」とバンバン背中を叩かれて、
俺とサガは互いに呪い合った。
「お前が駄々をこねたせいで恥をかいたわ!」
つーか、サガよ、それは俺の台詞だ!
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やさしいひと1
ある雨の日に傘を差して歩いていたなら、木の下にしゃがんでいるカノンがいて、
何をしているのだ?と問いかけながら傘を差し掛ければ、嗚呼俺はお前を優しいと思うのだと微笑んだ。
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やさしいひと2
机に突っ伏して眠っているサガを見かけて、こいつもいろいろ疲れてるんだなあとか思いつつ、
着ていたジャージの上着をその肩に掛けてやったなら、
私はお前は優しいと思うのだとサガは寝言で呟いた。
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やさしいひと3
カノンが窓辺の椅子に腰掛け、腕を枕に眠っていた。
薄色をしたカーテンが時折強くはためくので、これでは眠りにくかろうと窓をそっと閉めたなら、
このままベッドに連れて行ってと私の袖を掴むのだ。
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