Marcello*Kukule




ラヴ・イン・ブラック [L・I・B]



 掛け布がごそり。

 ベッドはギシリ。

 「ん…」




 掛け布がもぞり。

 二人分もぞり。

 「ぅん…」




 「…んん…もうちょっと右がいい…」

 「文句を云うな。暗くて見えぬのだ」

 「だから、こっちだってば」

 ごそごそ。

 もぞもぞ。




 「…ここ、か」

 ギシ。

 「っあ」

 ギシ。




 「ククール」

 「は…ぁ…な、に…?」

 「手を退けろ。押さえつけられては、下を舐めてやれんぞ?」

 「…下の前に左も忘れずにしてくれよ」




 もぞもぞ。

 ごそごそ。




 「ん…ふぅ…」




 「あ…っ、ん…」

 もぞりもぞり。

 「っぅん…はあ…ん、ん、ん」

 ごそごそごそ。




 「も、舐めるの…、いいから、ゆ…び、挿れろよ…」




 「あ…っ」

 ギシ。




 「ん…ん…ん…」

 もぞもぞ。

 「…な、兄貴」

 「なんだ」

 「んん…チュウしてくれよ」

 「お前がその口を押さえている手を退けたらな」




 「ふぅ…ぅん…ん、ん、んん…っはあ…」

 「…満足か?」

 「…やあらしいキスしやがる」

 「……」




 ごそり。




 「や…あっ」

 ギシ。

 「いやらしい声だな、勇者さまは」

 「…てめえ、いきなり指増やすなよ」




 「ん…ん…ぅん…」

 もぞりもぞり。




 「ぅん…あ…ん…」

 ごそりごそり。

 「…ククール」

 「あ…なに…今浸ってんだけど」




 「指で感じてくれるのも結構だが」




 ごそり。

 「っあ…抜くなら云えよ。へんな声が出た」




 「そろそろ欲しいものがあるのではないかね?」




 「…解ってるなら、よこせ」

 「…ほう、随分な言い草だな、ククール」




 「…じゃあ。ください。マルチェロおにいさま」

 「宜しい」




 ごそ。

 「挿れるぞ…」

 「ん…」




 「あ…っん!」

 ギシ。




 「……」




 「…なに…なんで動かないの」

 「馴れるのを待っている」




 もぞ。

 もぞ。

 「…な、マルチェロ…」

 「なんだ」




 「俺が待てない」



 ギシギシ。

 「ん…あ…あ…ん…っ」

 「ん…ん…」

 「あ…バカ、そこじゃねえ…って」




 ギシギシギシ。

 「や…わかった…っ、わかったってば…っ」

 ギシギシギシ。

 「さっきのバカ発言は取り消すからぁ…あぁん…っ」




 「あ…あ…あん…」

 ギ、ギ、ギ。

 「ああ…っ、ん…んぅ…」

 ギ、ギ、ギ、ギ。




 「ああ…」

 ギシリ。




 「は…はぁ…兄貴…俺、も、ムリ」

 「堪え性のない奴だ」

 「だからさ、ここ…も、なあ…」




 ごそごそ。

 「っあん…」

 ギシギシ。

 「…ふは…すげ…いい…っ」




 ギシギシ。

 ごそごそ。




 ギシギシギシ。




 「あ…マジやばい…、も…出していい…?」

 ギシギシ。

 「ん…もう少し待てんのか…」

 ギシギシギシ。

 「ダメ…っ。あ、も…出そうっ…出そう…っ、んんん」

 「っは…こら…っ、そんなに締め付けるな…っ」

 「っあ」

 「っん」




 ギュウ。




 バタリ。

 「…はあ…はあ…はあ…」

 「…はあ…はあ…はあ…兄貴…重い…」




 掛け布を取り払ってパサリ。

 「っぷはーっ」

 大きく深呼吸ククール。

 「あー、中ですんのは息苦しいわ、暑いわで、負担大だな」




 むくりと起き上がってマルチェロ。

 「顔が見えるのは恥ずかしいなどと云って、中でしたいと望んだのはお前だろう」




 ククールは乱れた銀髪を掻き上げる。

 「恥ずかしいとか云うの、可愛くていいじゃん。俺はけっこう好きだぜ」

 「…くだらん」

 マルチェロは呆れ顔。




 そんな兄の背にくちびるを寄せて、

 「でもさ、兄貴が俺の顔を見てしたいって云うなら、もっかいしてもいいぜ?」

 弟は接吻けを落とした。






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