Gemini*Other




聖域ハートビートハード



 「今宵から始まりました聖域ハートビートハード

 「おい」

 「お相手はこのジェミニのサガと」

 「おい」

 「我が弟カノンでお送りします1時間、お前の小宇宙はアナザーディメンション

 「なんなのだ、それは!」

 「キャッチフレーズだ」

 「そんなことはどうでもいい。これは何なのだと訊いている」

 「うむ。聖闘士専用のラジオ放送を始めるようにと女神に仰せつかったのだ」

 「女神に?」

 「そうだ。聖闘士専用のラジオがあれば何かと便利であろう?」

 「そんなことをせずとも小宇宙で連絡し合えば良いではないか!

 「抜かりない。この放送は小宇宙を通じて全チャンネルで放送中だ

 「つまり嫌でも聖闘士であれぱこの放送が響いてくるのだな」

 「その通り。故につまらぬ放送などしてはならん。良いな、カノン?」

 「……」

 「聖域ハートビートハードでは毎回ゲストを迎え、

 質問などをして、聖闘士同士の理解・友好を深めるのが目的だ」

 「で、俺が第一回目のゲストというわけか」

 「うむ。栄えあるゲストに選ばれたのだから、しっかりやるのだぞ」

 「…栄えなのか、それは」

 「では今よりカノンに対する質問を受け付ける、宛先を間違うなよ

 「宛先って…」

 「私の小宇宙だ。では一端CMだ。お前の小宇宙に幻朧魔皇拳



 【来る某月某日聖域にて同人誌即売会開催  グラード財団】

 【舟渡はお任せ  カロン商会】



 「お前の小宇宙をギャラクシアンエクスプロージョン」

 「今のCMは何なのだ!?」

 「問題ない」

 「大ありだ!と云うか自前の小宇宙で放送しとるのに何故CMがあるのだ!

 「私の副収入だ、気にするな」

 「気になりすぎだぞ、それは」

 「さて、続々とカノンへの質問が舞い込んできているな」

 「ほう?」

 「カノンのことなど本人がいなくとも私が答えてやるのだが」

 「…おい」

 「お前の知らぬことまで私は知っているからな。例えばここなどは…

 「や…さ…触るな!」

 「そうだな。お前の良い処は私だけの秘密だ。誰にも教えん」

 「…質問コーナーに移行してくれ」

 「うむ、では、最初の質問は…アリエスのムウからだ。ムウ?」

 『ああ、聴こえますよ、こんにちは、サガカノ

 「そんな略仕方はやめてくれ」

 「私は気にせんがな。ムウ、質問とは何だ?」

 『第一回のゲストは私と聞いていたのですが、素無視で弟選びましたね、サガ

 「カノンへの質問以外は却下だ」

 『まあいいですけど。そうですね、カノンへの質問は…』

 「遠慮せずに云ってくれ。俺に答えれるものなら答えるぞ」

 『じゃあ遠慮なく。貴方ってホモですか?

 「違う」

 『いつもサガカノしているから、てっきりそうだと思ってました

 「カノンはホモではないぞ、ムウ。カノンは私だけを」

 『はいはい、その辺はどうでもいいんです。貴鬼のためにも外では謹んで下さいね。では』

 「…サガ」

 「なんだ?」

 「こんな質問に俺はいちいち答えねばならんのか!?」

 「私が代わりに答えてやっても良いぞ」

 「いらん!絶対変なこと云うつもりだろうが!

 「ではお前自身で答えるのだな。次はタウラスのアルデバラン」

 『また面白いことを始めたな、サガにカノン』

 「俺までもが共犯者…」

 『質問というか、お前たちに云っておきたいことがあるのだ』

 「ほう?」

 『夜の聖域はお前たちが思っている以上に静かだぞ』

忠告有り難う、アルデバラン。次はキャンサーのデスマスク」

 「おい!流すな!今のはそういう意味なのか!?」

 「どういう意味というのだ?ん?私には分からんな」

 「な…!お前、分かっていて俺の口から云わそうとしているな!?」

 「知らぬと云っているだろう」

 「お前という奴は…!」

 『おいこら、てめえら!』

 「なんだ、今良い処なのだ。黙っていろ、デスマスク

 「いいや、黙るな!質問を云え、デスマスク!」

 『ったくよー。こんな茶番になんで付き合わなきゃならねーんだ』

 「茶番で悪かったな。で、カノンへの質問は?」

 『ああん?質問ねえ。つーか、お前等、毎日あんあんうるせーんだよ

 「……」

 「お前等ではない。カノンがうるさいのだ

 『隣に住む身にもなれ。以上だ

 「…サガ」

 「次はレオのアイオリアだな。アイオリア?」

 『う…うむ…聴こえているぞ』

 「おい、聞け!サガ!お前とはもう金輪際一緒に寝ないからな!」

 「しかし外ではやるなと今さっきムウに云われたばかりだしな」

 「そういう問題ではないわ!」

 『あの…』

 「おお、すまなかったな、アイオリア。カノンへの質問は何かあるか?」

 『ええと、そうだな…』

 「アイオリア、お前くらいはまともな質問しろよ。俺にも限界がある」

 「お前の限界は何でも早すぎだな、カノン?」

 「アイオリア!質問は!?」

 『あー…ええと、そう、俺にも兄がいるのだがな』

 「ほう?」

 『13年間離れていたせいか未だにぎこちないのだ、俺が』

 「なるほど」

 『だからお前たちのように仲良くなるにはどうしたら良いものかと』

 「俺たちの方法はお勧め出来ん!仲良くなんぞなれんわ!」

 「アイオリア。兄弟には幾通りもの形がある。お前たちはお前たちのを見つけろ」

 「間違っても俺たちのようにはなるなよ」

 『よく分からんが、有り難う。頑張ってみよう』

 「頑張らなくていいぞ、アイオリア…」

 「よし、ではここで一端CMだ。お前の小宇宙は悪一色に染まっているのだ!



 【聖衣修復はお任せ  羊一家】

 【ソレント音楽会  ソレント楽団】



 「お…お前の小宇宙にゴールデントライアングル…」

 「そんなに恥ずかしがって云うと、更に恥ずかしいぞ

 「黙れ。俺は常識人なのだ」

 「次の質問はバルゴのシャカだ。シャカ?」

 『うむ。電波は良好のようだな。やあ、サガにカノン』

 「早速だがカノンへの質問を云ってもらおうか」

 『うむ、任せたまえ。私は今までのような無粋な輩とは違う』

 「お前の場合は世界が違う気もするが」

 『君は罪を悔やみ、女神に忠誠を誓った、そうだな?』

 「そうだ。俺は女神のために戦う」

 『そこで質問だ。女神とサガ、今にもコキュートスに落ちそうだ。君はどちらを助けるかね!?

 「女神だ!」

 「……」

 「…サガ、その笑みはやめろ

 『うむ、これで決まりだな。新刊はサガ→カノン女神だ

 「なに?いったい何の話だ」

 「サガカノ←女神にしてはくれまいか、シャカ?」

 『君が私の本にゲストで出てくれれば考えなくもない』

 「分かった、そのことについてはまた後日相談しよう」

 「いや、待て。俺にはさっぱり分からんぞ!

 『カノン、きばりたまえ』

 「……」

 「ゲスト原稿間に合うだろうか」

 「おい。シャカも充分無粋な輩だったぞ、サガ!

 「私に怒鳴るな。次はライブラの…老師だ。老師、老師?」

 『ほっほっほっ、元気が良いのう』

 「こんにちは、老師。このような戯れにお付き合い下さり感謝しております」

 『なに、気にするでない。ところでカノンよ』

 「はい?」

 『お前たち兄弟仲はどうなのだ?ん?』

 「はあ、それはなんとも…」

 『元気が良すぎるのも困ったものじゃのう』

 「は!?」

 『うむ、まあ元気が良いのは何よりじゃ』

 「恐れ入ります、老師」

 『サガよ、カノンよ、兄弟仲良く暮らすのじゃぞ』

 「は、それはもちろん。そうだな、カノン?」

 「…仲良く違いな気するが!?元気良く違いな気もするが!?

 『ほっほっほっ。さらばじゃ』

 「さてと、次はスコーピオンのミロだな。ミロ?」

 『おう、聴こえているぞ、サガ。カノンよ、久しぶりだな』

 「ミロ。お前だけが頼りだ。頼む、まともな質問をしてくれ」

 『うむ。何だかよく分からんが、お前に質問したら良いのであろう?』

 「そうだ。何か質問はあるか?」

 『そうだな。うむ、カノン、お前暇はあるか?』

 「ああ、あるぞ」

 『今度一緒に飲みに行こう…ってサガ、今小宇宙を断とうとしたな!?

 「知らんな」

 『とにかく、カノン、暇があったら…(ブツ)

 「却下と。さあ、次はサジタリアスのアイオロスだ」

 「お前!途中で小宇宙を切りやがったな!」

 「ジャミングがたまたま入ったのだ。私のせいではない。アイオロス?」

 『おう、繋がっているぞ、サガ。カノン、調子はどうだ?』

 「最悪だ、この愚兄のせいでな」

 『ははは。まあ俺も笑えんがな。俺も出来の良くない兄貴だからな』

 「いや、そんなことはない。お前は実際いい奴だと俺は思うよ」

 『有り難う。この際、お前もついでに俺の弟になるか?』

 「それもいいな」

 『じゃあ質問は、俺の弟になる気はありますか?だな』

 「却下だ、そんな質問!カノンも答えるな!CMだ、CM

 「女神のため、地上のため、正義のため、戦い抜くのみ!」



 【お嫁さん募集中  ジュリアン・ソロ】

 【是羅陀仲間募集中  ゼーロス】




 「この兄自らの手でスニオン岬に幽閉してくれるわ!」

 「幽閉というか殺すつもりだっただろう

 「次はカプリコーンのシュラだな。シュラ?」

 『うむ、聴こえているぞ。しかしカノンとはあまり面識がないからな』

 「だからこその質問コーナーなのだ。カノンへの質問はあるか?」

 「お前はまともだと信じているぞ」

 『信じられても困るが、そうだな、当たり障りのない辺りで…』

 「そうそう、そういう気遣いが欲しかったのだ、俺は」

 『趣味はなんだ?』

 「見合いみたいなので却下だ」

 「お前…」

 『いや、カノンと見合いする気はないぞ、サガ』

 「当たり前だ!カノンを嫁にはやらん

 『俺も男の嫁はいらんぞ…』

 「敢えて云うなら、カノンの趣味はこの私だ。趣味はサガ。それでいいな?」

 良くない!全く良くない。いいわけあるか」

 『カノン、ここは穏便に済ませよう。お前の趣味はサガなのだな?

 「違うと云うに」

 『そうか分かった。趣味はサガ。理解した。ではな

 そんな間違った理解はいらん!趣味はサガ、何なのだ、それは!」

 「私の趣味はカノン、お前だ。これでおあいこだ」

 「何だか俺が一方的に損している気がするぞ」

 「気のせいだろう。さあ、次はアクエリアスのカミュだ。カミュ?」

 『ああ、聴こえているぞ。カノン、あなたに訊きたいことがある』

 「何だ?」

 『うちのアイザックは海底時代も良い子だっただろうか?』

 「は!?」

 「カミュ。それを訊きたい気持ちはよく分かるが、

 今はカノンへの質問コーナーなのだ。それは後にしてくれるか」

 『分かった。となると質問は無い。ではな』

 「…あいつは本当に女神の聖闘士なのだろうか」

 「弟子を大切にする良い男だ。さあ、次はピスケスのアフロディーテ」

 『今までの放送を聴いていたぞ、サガにカノン』

 「それはすまないな、有り難う」

 「よくこんなくだらないものを聴いていたな…」

 『私もそう思う。結局この放送は君たちののろけではないか』

 「のろけではなく、事実だ」

 「俺の場合はのろけではなく、苦労話なのだがな

 『どうでもいいが普通の質問してもサガに却下されるから、何も質問出来ん

 「ものによっては却下しているだけだ」

 「しかし俺としてはまともな質問をして欲しい…」

 『仕方あるまい。では、カノン。君はサガのことをどう思ってるのかね』

 「はっきり云って最低だ」

 「スニオンに行くか、カノン」

 『最低と云うならば、サガから離れればいいのだ。私の処へ来るか?』

 「いや、それは…」

 『ふん。やはり君たちののろけを聴かされただけのようだ。時間の無駄遣いをしてしまったな。ではな』

 「カノン」

 「いや、だから今の躊躇はアフロディーテの処へ行くかどうかの躊躇で…」

 「とりあえずCMだ、カノンの小宇宙にアテナエクスクラメーション!



 【中国四千年の野菜絶賛販売中  春麗】

 【出番探してます  キューブ】




 「んあ…ちょ…サガ!」

 「ちっ。CMが終わってしまったか。さあ、残すはあと2人。シオンさま?」

 『何をやっておるのだ、お前たちは』

 「まだ何もやっておりません」

 『…カノン』

 「…は…はい、カノンここに」

 『聖域の倫理は乱さぬよう、分かったな?』

 「承知しました。最大限努力致します」

 「シオンさま、質問がないのならスターヒルにでも行って下さって宜しいですよ

 『サガ、貴様、早く終わらせたいのだな』

 「滅相も御座いません」

 『まあ良い。くれぐれも女神に粗相のないよう気を付けるように』

 「は」

 「って、待て。サガ。最後のお一人は女神なのか!?

 「その通り。女神、お待たせしてしまい申し訳ありませんでした」

 『良いのですよ、サガ。カノン、聖域の皆とコミュニケーションはとれましたか?』

 「お気遣い有り難う御座います。親密な会話をしたように思います

 『そうですか、それは良かったです。最後にカノン、私からも質問です』

 「は、何なりと」

 『カノン、あなたサガとする時はが良いですか、が良いですか

 「…は!?」

 『ですから、上か下、どちらが良いですか?』

 「女神、くれぐれもカノンの相手は私だけでお願い致します」

 『そうでしたね、サガ。憶えていますよ。さあ、カノン、お答えなさい』

 「…それは…」

 『う?上ですか?そうですか、分かりました

 「いえ、お待ち下さい、女神!」

 『では上になるよう取りはからいます』

 「いえ、本気でちょっと待ってください!いったい何が上なんですか!?」

 『今から貴方たちがすることに関してです』

 「は!?」

 『サガ、ご苦労様でした。次回放送も楽しみにしておりますよ』

 「承知仕りました」

 『ではね、サガ、カノン』

 「というわけで、今日の聖域ハートビートハードは如何だったでしょうか?」

 「どうもこうも意味が分からん!」

 「次回はゲストにラダマンティスを迎える予定だ。ではまた来週」

 「来週もあるのか!?来週もこんなものが!」

 「カノン、締めなのだから落ち着け

 「こんなものが1時間も勝手に聴こえてきたら発狂するわ!」

 「どうせ今からお前は私の手によって理性をなくすのだから良いではないか」

 「良くない!ちょっと待て、こんなのが締めでいいのか!?…あ…やめろ…!」



 《この放送はジェミニのサガの提供でお送りしました》






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