引っ越し
「駅近」
「本気で走ればどこにいても我らは駅近だ。というわけで、郊外決定」
「どこにいてもすぐに郊外に行けるのに」
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二人寝
「おい、サガ。毛布もっとこっちに寄越せ」
「そんなことしたら、私が寒いではないか」
「俺なんか、こんだけしか毛布掛かってないのだぞ!」
「私なんか、見ろ、こんなにもはみだしている!」
「つーか、あの家具屋、むかつく。ベッドの搬入日無視しやがって」
「手違いは誰にでもあるものだ。そう怒るな、カノン」
「では毛布をもっとこっちに寄越せ。寒い」
「それとこれとは話が別だ。お前こそもっと寄越せ」
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不器用な手料理
「うーむ」
「美味いか、カノン?」
「微妙。馴染んだ味に戻ったという感じで、この味が俺の基本だからな」
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キャッチセールス
「幸せの壺だとさ」
「壺くらいで幸せになるなら、買い占める」
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言うなれば
「これは」
「これは?」
「ニューディール政策」
「解ったような、解らないような」
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着替え
「サガー、サガー」
「なんだー?今鍋を見ているから手が放せんー」
「風呂場までー、パジャマをー、持ってきてくれー」
「下着もかー?」
「あー」
「もう少ししたら持って行くー。あと100数えていなさいー」
「へーい」
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居なくなって気付く
「…爪切りの場所がわからん。…サガめ、何処にしまったのだ…」
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手抜き
赤い羽根募金
「愛の手を、お兄さま」
「きちんとお小遣い帳を付けなさい」
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コンビニエンスストア
「ちょっと行ってくる。何か要るものはあるか?」
「別に。…いや、待て、私も行く」
「要るものないのだろう?」
「要るものがなくとも行きたくなる、そういう処だ」
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深夜番組
「何を見ているのだ?」
「ちょっとエロいフランス映画」
「ふうん。それよりカノン、私ともっとエロいことしないか?」
「ビデオ撮影だけは勘弁だぜ、お兄さま」
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偶然の出来事
「サガー、土産にケーキ買ってきたぞ…って、あれ、お前も?」
「うーむ、今夜の夜食はケーキだな」
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発掘したアルバム
雨降りに濡れた傘
「雨雲が途切れて、晴れの処まで歩いていこう」
「そうしよう」
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かくれんぼ
「確か、ここでサガにメールを打って」
「ふむ」
「そんであそこでサガに電話して」
「ふむふむ」
「で、むかついて投げて、だな」
「携帯電話が行方不明、と。ご丁寧にバイブまで切って」
「だってお前が何度も掛け直してくるから」
「それはお前が用件の途中で切ってしまうからだろう」
「お前が勝手なことばかり云うからだ」
「もういい。とにかく、まずは携帯を探すぞ」
「おー」
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留守番電話
迎えに来て
「あ、もっしもーし、お兄ちゃ〜ん?」
「うちにカノンという名の弟はたった今から存在しなくなった」
「そー云わずにさあ、まぁたちょっと飲み過ぎて」
「せいんとならちゃんと歩いて帰ってきなさい」
「カノンだから、なんだか急に寂しくなって、もう動けない」
「…動かずとも良いから、そこで待っていろ」
「…うん」
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一緒に買い物
「どうよ、これ。絶対サガに似合うぞ」
「で、何故お前が試着しているのだ?」
「客観的に見れて良いではないか」
「こういう時は便利だな」
「というわけで、サガ、これ着てくれ。超迷い中の代物なのだ」
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奪い合い
「映画だ」
「ニュースだ」
「え・い・が!新聞でも読んでろ!」
「ニュースだ!本でも読んでろ!」
「映画!」
「ニュース!」
「映画」
「ニュース」
「映画…」
「ニュース…」
「むう…」
「うーむ…」
「…で。結局なんで旅番組なのだ」
「ふたりの間をとったらこうなったのだ。ああ、つまらん」
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これから
「カノン。ひとつ提案がある。テレビとプレステ3は一台ずつ買おう」
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