「本当は嫌いなのだ」
うん。
「本当は何もかも嫌いなのだ」
うん。
「嫌いで、嫌いで、嫌いで、大嫌いなのだ」
そうだね。
「この上なく嫌いで、吐き気がするほど嫌いで、嫌いで、嫌いで、大嫌いなのだ」
知ってるよ。
「聖域も」
うん。
「教皇も」
うん。
「アイオロスも」
うん。
「黄金聖闘士も」
うん。
「嫌いなのだ」
そうだね。
「嫌いで、嫌いで、嫌いで、大嫌いなのだ」
知ってるよ。
「神も嫌い」
いいんじゃないの。
「世界も嫌いだ」
別にいいんじゃないの。
「嫌いなのだ、何もかも、全て、本当は大嫌いでたまらない」
それでかまわないさ。
「嗚呼、カノン」
なあに。
「嫌いなのだ」
うん。
「大嫌いなのだ」
うん。
「嫌いで仕方ないのだ」
そうだね。
「カノン、お前のことも大嫌いなのだ」
知ってる。
「なのに、カノン」
うん?
「私は神から、聖域から、みなから、愛され慕われたいと思っているのだ」
うん。
「私は大嫌いなのに」
うん。
「なのに私は愛されたいのだ」
うん。
「愛されたいのだ」
うん。
「カノン」
なあに。
「お前からも」
うん。
「愛されたい」
うん。
大丈夫。
俺がお前を愛している、サガ。
ハートマン