さいごな Brothers 10

Air.
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さいごにみたもの


 それでも俺を拒否するアンタの背中。




さいごにおもったこと


 言葉に出来るとしたら「嗚呼」という息詰まりだけ。




さいごにいった場所



 「マルチェロ団長殿…」

 「もう団長ではないぞ」

 「…ああ、そうか。で、目的の場所まであとどれくらい何でしょうか」

 「まだまだ、だ。我らが辿り着く場所は果てしなく遠いのだ」

 「あそー。てか、そろそろ俺に頼ってないで、自分で歩けよな、兄貴!」




さいごについたうそ


 「結局甘くしちまったなあ」

 苦笑して見上げた空に翳した指輪がキラリ。




さいごにいったことば


 「っあ…っ、もぅ…出るっ、マルチェ…ぁ兄貴…っ」




さいごにかんじたかんしょく


 やっぱり俺よりちょっとばかりでかいアンタのてのひら。




さいごにきいたおと


 耳に吹き込まれるようにして届けられた快楽の呻き声。




さいごにかいたてがみ


 「お前は反省文の書き方も知らんのか!」

 「もーしわけありません、だんちょーどの」




さいごにやりのこしたこと


 「あーっ!兄貴に俺の指輪をやれば良かった!

 そしたら指輪交換できたのに。あーあー、ちくしょー、兄貴のアホ」




さいごに、あいしたひと


 さいしょからさいごまで、愛したという言葉がしっくりくるのはアンタだけ。





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