朝 Brothers 10

subtle titles
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あの目覚ましが憎らしい


 「兄貴、朝だぜ。ほら起きて、横を見てみろよ。アンタの可愛い弟が」

 そこで途切れる“声を録音できる目覚まし時計”

 マルチェロは憎々しげに横でまだ寝こける弟の顔面をビンタした。

 「くだらんものを買ってくるな!」




朝ごはんナシ


 「…私の朝飯はどうした」

 「食パン、昨日買い忘れたんだよな。ついでに飯も炊き忘れた」

 「…それで今お前が齧っているのはなんだ?」

 「最後の一枚の食パン」

 「……」

 「…なんでそこで人生に落胆したような溜息吐くんだよ」




コーヒーかミルクか



 「お前はこっちだ」とミルクを渡されてククールは「?」

 そんなククールの腰をすっかり出勤の身支度を整えたマルチェロが抱き寄せる。

 「時々折れてしまうのではないかと思う」

 「バ…!朝から!離せよ、もー!」




いってきます


 「じゃ、いってきまーす」

 そう云って玄関の扉を開けようとしたククールにマルチェロは待ったを掛けた。

 「車にひかれんようにな。あと変態には付いて行くなよ」

 「…アンタ、俺をいくつだと思ってるんだ!」




朝から誰?


 朝からピンポンラッシュ。

 マルチェロはベッドの上で身じろぐ。

 それでもピンポンラッシュ。

 マルチェロは仕方なく現在朝四時半であることを確認し、インターホンの前に立った。

 映し出されたのは酔っ払いククール。

 「あにき〜おはよーあっけてくれー」

 もちろん開けてはやらない。




低血圧


 「起きろ、ククール!」

 「むり。美少年は朝に弱いのが常識だろ〜…むにゃむにゃ」

 「昨日朝から盛ったのはどこの誰だったかな?」

 「うぐうぐ」




モーニング・コール


 ククールが朝食を食べていると、家電が鳴り響く。

 口の中のものを飲み下してごっくん。

 「もしもしー?どなた?って兄貴?なに?出張先で何かあったの?

 え、違う?ふんふん…なるほど…、ね。ちゃんと起きれるって云っただろう。

 …まあ、そだね、信じてもらえないのも日頃の行いが…、

 くそっ、ちゃんと起きたのにどーして説教されちまうんだよ!」




カーテンを開け放つ


 「って今日雨かよ!!洗濯できねーじゃん!」

 「だから昨日しておけと云ったんだ」

 「じゃあ兄貴がしてくれても良かっただろ」

 「当番でもないのに誰がお前のパンツなんぞ洗うか」




朝イチでお願い


 「ん〜いっかいだけ、いいだろう?」

 ククールの言葉にマルチェロげっそり。




朝日が昇るときにそうっと呟くコトバ


 休憩を挟みながらとはいえ夜明け前。

 「兄貴、そろそろ寝なきゃやばいと思うんですけど、んっ、ああんっ」

 やめられないのはお互い様。





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