あの目覚ましが憎らしい
「兄貴、朝だぜ。ほら起きて、横を見てみろよ。アンタの可愛い弟が」
そこで途切れる“声を録音できる目覚まし時計”
マルチェロは憎々しげに横でまだ寝こける弟の顔面をビンタした。
「くだらんものを買ってくるな!」
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朝ごはんナシ
「…私の朝飯はどうした」
「食パン、昨日買い忘れたんだよな。ついでに飯も炊き忘れた」
「…それで今お前が齧っているのはなんだ?」
「最後の一枚の食パン」
「……」
「…なんでそこで人生に落胆したような溜息吐くんだよ」
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コーヒーかミルクか
「お前はこっちだ」とミルクを渡されてククールは「?」
そんなククールの腰をすっかり出勤の身支度を整えたマルチェロが抱き寄せる。
「時々折れてしまうのではないかと思う」
「バ…!朝から!離せよ、もー!」
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いってきます
「じゃ、いってきまーす」
そう云って玄関の扉を開けようとしたククールにマルチェロは待ったを掛けた。
「車にひかれんようにな。あと変態には付いて行くなよ」
「…アンタ、俺をいくつだと思ってるんだ!」
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朝から誰?
朝からピンポンラッシュ。
マルチェロはベッドの上で身じろぐ。
それでもピンポンラッシュ。
マルチェロは仕方なく現在朝四時半であることを確認し、インターホンの前に立った。
映し出されたのは酔っ払いククール。
「あにき〜おはよーあっけてくれー」
もちろん開けてはやらない。
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低血圧
「起きろ、ククール!」
「むり。美少年は朝に弱いのが常識だろ〜…むにゃむにゃ」
「昨日朝から盛ったのはどこの誰だったかな?」
「うぐうぐ」
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モーニング・コール
ククールが朝食を食べていると、家電が鳴り響く。
口の中のものを飲み下してごっくん。
「もしもしー?どなた?って兄貴?なに?出張先で何かあったの?
え、違う?ふんふん…なるほど…、ね。ちゃんと起きれるって云っただろう。
…まあ、そだね、信じてもらえないのも日頃の行いが…、
くそっ、ちゃんと起きたのにどーして説教されちまうんだよ!」
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カーテンを開け放つ
「って今日雨かよ!!洗濯できねーじゃん!」
「だから昨日しておけと云ったんだ」
「じゃあ兄貴がしてくれても良かっただろ」
「当番でもないのに誰がお前のパンツなんぞ洗うか」
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朝イチでお願い
「ん〜いっかいだけ、いいだろう?」
ククールの言葉にマルチェロげっそり。
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朝日が昇るときにそうっと呟くコトバ
休憩を挟みながらとはいえ夜明け前。
「兄貴、そろそろ寝なきゃやばいと思うんですけど、んっ、ああんっ」
やめられないのはお互い様。
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