切ない Brothers 30

切ない30の言葉達



ふたり


 騎士団長と騎士。




あの日の憧憬


 伏せられた緑。

 戻らない緑。




傷跡


 
 雨の日は疼く。




届かない背中


 差し出した手は握られることなく。




約束


 「後悔をさせて欲しい」




冷たい鎖


 遺伝子二重螺旋。

 もっと似ているか、全く異なれば、或いは。




記憶


 いっそ忘れられたら。




満たされない心


 「結局ね、法王になっても、神さまになっても、アンタは満たされないよ」

 ひとりじゃ隙間は埋めれない、なあそうだろ?




砂時計


 世界は何度ひっくり返したとて、没す。




知らない


 生まれてくる前のことなんて知らねえよ。

 時折そう叫びたくて仕方ない。
 



慟哭


 「泣き叫んだとて、何も変わらん」




「さよなら」


 指輪を残して行くなんて。

 アンタ、俺の何?




繋いだ手



 崖っぷち。

 あの日家族になろうと差し出し合った手と手を、今。




その手を振り払う勇気


 安易な幸福はそこらじゅうに転がっている。

 たとえば一緒に暮らそうと云ってくれたやさしい女。

 「でもゴメン。俺は高望みだから、それじゃ満足できないんだ」




愛しい人


 きっとさ、女神様は男を見る目がないんだよな。

 こんないけてる俺たち兄弟をスルーなんて普通にありえねえ。




子守唄


 酒に酔い、調子外れの子守唄。

 あの男もこのような調子で歌っていた。




いない


 団長室にその姿なし。

 何処へ行っちまったのさ。何処に行くんだよ。




手首


 脈打つ血の同一性を。




縋りつく


 「もう諦めろ、ククール」




キス


 膝を付き、嗚呼我が君の御足に接吻けを。







 この空の下の何処かにいてくれるのなら。







 「あは、激しいの。ベッドの足が壊れても知らねえよ?」




優しい嘘



 嘘吐かれた事ないから。

 本気で「お前など生まれてこなければ良かった」だから。




裸足


 「ブーツを脱げ。シーツが汚れる」

 「…せっかちなの、アンタのくせに」




美しいもの


 「精々稼げ」







 ずぶりと沈む。




霞む瞳


 何故お前は歯を食い縛りながら、私にその剣を突き立てるのか。




雨の夜



 追悼の夜。




カウントダウン


 決別か。

 統合か。




永遠


 兄と弟。





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