猫かわいがり
「兄貴って、本当はすげえ心配性なんだな…」
春は近くとも、ククールにマフラー。
「何を云う。当然の装備だ」
「…マフラーって装備なのか」
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上目遣い
「あーにーきー」
「…断る」
「なあなあ、いいじゃん」
「断る」
「…ケチ。知ってたけどさ」
「……」
「ちぇー」
「…少しだけだぞ」
ぎゅう。
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それが聞きたくて
酒に酔ってみました、満月の晩。
「…へへー」
「ククール」
「おやおや、マルチェロお兄さま、わざわざお迎えありがとうございます」
「…お前というやつは。ほら、立て。帰るぞ」
「…うん」
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隣の特等席
ベンチに腰掛け、ふたりで青い空を振り仰ぐ。それだけでもう充分。
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寝顔
むぎゅ。
「朝だぞ、ククール。起きろ。さもなくばご自慢の顔が潰れるぞ」
「ギブギブ…」
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君のにおい
すーはー、くんくん。
「ああ、たまんねえな、ホント」
「犬か、お前は」
「犬だよ。飼い主にだけ従順な、躾の悪い犬さ」
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取捨択一
クローゼットと真剣勝負。
「兄貴には黒も似合うが、白のシャツも捨てがたい…」
「いいから、さっさと服を寄越せ」
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鼓動
ぬくもり
眩暈がするほど愛してる
洗面をする無防備な背中にがっつり。額を洗面台にごっつり。
「…ククール…」
「あ…いやその…俺の愛ってば激しいから!」
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